循環器内科

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心臓から血液を全身の臓器・末梢組織へ送り出し、再び心臓へ還流することにかかわる組織が循環器システムです。しかし、血圧、心臓の弁、心収縮のリズム、心筋そのものの障害、心臓の栄養血管の障害、肺血管の異常など複数の病態が混じりあって心臓のポンプとしての機能が大きく損なわれ心不全へと発展します。したがって、”心臓病”では病態の全体像をしっかり把握して治療を行うことが必要です。

循環器科で扱う疾患

不整脈

不整脈

動悸がする、脈が飛ぶ、立ち眩みがするなどの症状を伴うことが多く、まず通常の心電図でスクリーニングを行います。心房性の不整脈のうち頻度の多い心房細動では血栓塞栓症、特に心原性脳梗塞を発症する危険があるため年齢や合併症などから患者様のリスク評価を行い抗凝固剤の服用を開始します。高齢の方でなければカテーテルアブレーションを検討します。また心房性の頻脈発作の発作性上室頻拍は薬物治療及びアブレーションの適応を検討します。脈が飛ぶなどの症状は期外収縮が考えられ、ホルター心電図(24時間心電図)を装着し、期外収縮の頻度、連発の有無などを評価し治療を行います。とくに心室期外収縮が3拍以上続く場合は心室頻拍といい心臓突然死のリスクとなります。

不整脈

心室期外収縮が頻発する場合は他に心筋疾患を合併している可能性があり心エコー検査で確認を行います。30秒以上持続する持続性心室頻拍や非持続性心室頻拍でも血圧が下がるなど血行動態が悪化するものは植え込み型除細動器の植え込み手術を要します。徐脈性不整脈は心房と心室の刺激伝導に問題が見られる房室ブロック、心房とその中枢(洞房結節)で刺激伝導に問題を生じる洞不全症候群などがあります。失神、心不全症状、はっきりとした伝導障害を認めるものはペースメーカー植え込み手術が必要となります。当クリニックでは不整脈の鑑別、ホルター心電図により不整脈の頻度と重症度を確認し薬物治療を行い、誘発試験、アブレーション、手術治療が必要な場合は連携病院へ紹介し併診しながら責任をもって今後の治療を行います。

対象となる主な疾患

心房細動、発作性上室頻拍症、心室期外収縮、心室頻拍、Brugada症候群、洞不全症候群、房室ブロック

心臓弁膜症

心臓弁膜症

以前はリウマチ性の僧帽弁狭窄症の割合が多かったですが、現在は高血圧などによる左室拡大、心筋梗塞後の心拡大や拡張型心筋症などに由来する僧帽弁閉鎖不全症の頻度が増加しています。加齢変化による大動脈弁狭窄症は依然突然死の大きな原因の一つです。当院では心エコー検査でこれらの進行具合を厳重にフォローアップします。また、原因不明の熱が続く場合、血液感染が心臓の弁に波及した感染性心内膜炎を生じる場合があります。この場合は入院のうえ抗生剤点滴を行い感染の改善が無ければ弁置換術または弁形成術が必要となります。
内科的治療は基本的に弁膜症による心不全症状をコントロールすることですが、弁膜症が見つかれば、初期の段階で今後進行した場合に手術を受けるかどうか患者様・ご家族と十分に相談を行い、患者様のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を大切にしたいと考えています。

対象となる主な疾患

大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症

虚血性心疾患

虚血性心疾患

坂道や階段を上がると胸が締め付けられるといった症状を伴います。中には食後に胸が詰まる気がする、頸が苦しいといった消化器系の病気に似た症状を訴える労作性狭心症と、これとは別に、夜間または明け方から起床時に症状を訴える冠攣縮性狭心症があります。
前者は冠動脈の動脈硬化が主病変で労作時に心筋の酸素必要量が増えたのにも関わらず十分に血流が供給できないことが原因となります。後者は冠動脈には動脈硬化はなく器質的狭窄は認めない状態で自律神経のバランスが交感神経優位へ切り替わる際に冠動脈の攣縮が起こり同様に心筋への血流は不足して症状を生じます。安静時の心電図、心エコー検査では特徴的な所見が見られないことが多く、前者では冠動脈CT検査、心筋に負荷かける検査(運動負荷心電図、負荷心筋シンチグラフィー)などで病変部の検討を行い心臓カテーテル検査・治療(ステント留置)を行うのが標準的治療です。後者の冠攣縮性狭心症は冠動脈内に薬剤を注入し誘発試験を行い診断します。治療は薬物による内服治療を行います。
当院では労作性狭心症、冠攣縮性狭心症が疑われる患者様へはまず安静時心電図、心エコーを検査、心筋虚血のマーカーとなる血液検査の確認を行い、疑わしけえれば連携病院へ負荷検査を含めて診断と治療を依頼します。治療後は外来で責任をもってフォローを行います。

対象となる主な疾患

労作性狭心症、冠攣縮性狭心症、急性心筋梗塞

心筋症・心筋炎

心筋症・心筋炎

あまり聞きなれない疾患ですが、現在の日本の心臓移植の最も多い原因疾患である拡張型心筋症、若年者の突然死の原因ともなりうる肥大型心筋症、全身性疾患に合併した2次性心筋症として心サルコイドーシスや心アミロイドーシスがあげられます。これらは心不全症状、致死性の不整脈を伴うことがあり多種にわたる循環器的な対応を要します。疾患のスクリーニングは心電図異常から心エコー検査を行い心臓の形態的異常を見つけ鑑別診断を行います。当院では心電図異常を認めた方は心エコー検査を追加し早期発見に努めています。
急性心筋炎はウイルスなどの感染や薬剤、環境因子、自己免疫などで誘発される急性の進行性の心機能低下を来たす病気です。風邪症状に続いて1~2週間後に急激に胸痛、心不全を発症します。心不全症状としては低血圧、頻脈、呼吸困難、手足の冷感、全身浮腫が著明になります。心電図では広範囲にST上昇という異常波形を認め、心エコー検査では心室壁の肥大と収縮低下を認めます。経過は急性心不全への治療を経て約2週間程度で回復する例が多いです。大半は症状を認めてからの受診であり、診察・外来検査で疑わしい場合は早期に関連病院へ紹介を行います。

対象となる主な疾患

肥大型心筋症、閉塞性肥大型心筋症、拡張型心筋症、アルコール性心筋症、心サルコイドーシス、心アミロイドーシス、急性心筋炎

肺高血圧症

肺高血圧症

大きく分けて心不全により生じる肺動脈圧が上昇する肺静脈性肺高血圧と肺動脈そのものの病変による肺動脈性肺高血圧があります。いずれも右心室へ過大な負担がかかり心不全を発症します。前者はうっ血性心不全に対する加療を行います。後者は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症といって肺動脈へ器質化血栓を生じ著明な呼吸苦を生じ予後不良な疾患です。また原発性肺高血圧症は原因不明の肺血管内膜の線維化から高度の狭窄を来たす疾患で、進行すればともに低酸素血症のため在宅酸素導入が必要となり予後は不良です。これらも心エコー検査で肺高血圧の有無をチェックし初期の段階で疑わしければ、連携病院へ紹介する方針です。

対象となる主な疾患

原発性肺高血圧症、慢性血栓閉塞性肺高血圧症、急性肺動脈血栓塞栓症

心不全

心不全

これまでの様々な病態により心臓のポンプとしての機能が悪化し全身へ十分な酸素を供給できなくなった状態です。症状は四肢の浮腫み、肺うっ血(肺高血圧)による呼吸困難、胸に水が溜まる(胸水貯留)、さらにうっ血肝、おなかに水が溜まる(腹水貯留)、手足が冷たくなり冷や汗をかく、など特徴的な症状を認めます。
心不全は進行度から4つのステージに分けることができます。ステージAは症状を認ませんが高血圧、糖尿病、動脈硬化などの心不全リスクが存在する段階、ステージBは左室肥大、狭心症、心拡大、不整脈など基礎心疾患が存在する状態です。ステージCは呼吸困難、四肢浮腫などの心不全症状を発症し始めた時期で薬物加療~入院加療が必要となります。ステージDは心不全を再発、再入院を要する時期で難治性心不全への対応は必要となります。再入院の予防や、終末期の管理が必要となります。外来での管理はまず、ステージAの時期でリスクを十分認識し生活習慣を見直し基礎疾患のコントロールが必要になります。ステージBでは心不全症状を発症しないよう基礎心疾患に対する加療を含め厳重なフォローアップを行います。心不全症状を発症し、外来での加療が困難となれば連携病院へ紹介し速やかな治療を依頼し、状態が安定しましたら再び当院でフォローを行います。

大動脈瘤疾患

大動脈瘤疾患

大動脈瘤は健康診断での胸部レントゲンや腹部エコー検査で偶然に指摘を受けCT検査で診断がつく場合が多いですが、高血圧、大動脈壁の脆弱性(脆さ)のため、心臓から出た大動脈(胸部大動脈、腹部大動脈)が嚢状、紡錘状に拡大したものです。頻度の多い腹部大動脈瘤は大半が腎動脈分岐部の末梢に生じます。拡大すると破裂の危険性が大きくなるため、腹部大動脈瘤では直径5cm、胸部大動脈瘤では6cmで手術適応となります。また、大動脈壁の中膜に亀裂を生じ内膜と外膜が裂けた急性大動脈解離は急激な背部痛を特徴とし緊急対応が必要となります。いずれも侵襲的検査・治療が必要なことから当クリニックでは胸部レントゲンや腹部エコーでの異常を認めた場合は早期に連携病院へ紹介を行い、治療後は血圧を含めた外来加療を行います。

下肢閉塞性動脈硬化症

下肢閉塞性動脈硬化症

血管の粥状硬化が原因で下肢の血管の狭窄を生じます。“足が冷たい” または “歩くと足がだるい” という間欠性跛行の症状を呈します。多くの場合、下肢が痺れるという症状で整形外科的な腰椎の病変による症状と重なりますが、症状は歩行後しばらくした後に生じ点が特徴的で、同時に血圧脈波検査で鑑別を行います。動脈硬化に由来し、喫煙、さらに糖尿病を基礎に持つ方は発症リスクが高く生活習慣の改善や厳重な血糖コントロールを併せて行う必要があります。軽度の場合は薬物治療と軽い運動で経過を見ますが、治療に反応せず進行した場合はカテーテル治療またはバイパス手術による血行再建が必要であり、連携病院への治療を依頼いたします。

医療法人 蓮華友愛会
れんげクリニック

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